最終更新: 2026-10-30
寿司屋で「カスゴ」や「春子(はるこ)」という名前を見かけたことはありませんか。実はこれは特定の一種類の魚ではなく、マダイ・キダイ・チダイなど、鯛の仲間の幼魚全般を指す呼び名です。成魚の鯛が白身ネタの王様として扱われる一方、幼魚のカスゴは「光物」として塩や酢で締めるという、まったく異なる仕込みがされます。この記事では、カスゴという呼び名の由来、サイズの目安、関西での呼び方の違い、江戸前鮨での扱いまで整理して解説します。
カスゴ(春子)とは?特定の魚種ではなく「幼魚の総称」

カスゴ(春子)は、マダイ・キダイ・チダイという鯛の仲間3種類の幼魚をまとめて指す呼び名です。体長およそ10cm前後、重さの目安としては100g以下(体長15cm以下)とされる小さな個体を指します。江戸前鮨では伝統的にチダイ(血鯛)の幼魚が、関西の鮓では黄鯛(キダイ、地域によっては連子鯛/レンコダイとも呼ばれる)の幼魚が使われるという違いがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象魚種 | マダイ・キダイ・チダイの幼魚(総称) |
| サイズの目安 | 体長約10cm前後、100g以下(15cm以下) |
| 江戸前鮨での使用 | 血鯛(チダイ)の幼魚が伝統的 |
| 関西鮓での使用 | 黄鯛(キダイ)の幼魚が伝統的 |
参考: 鮨の真髄No.015「伝統的な鮨種」第1回:鯛、春子|すしログ(大谷悠也)(2026年10月確認)、小さくても鯛、カスゴ。|横浜丸魚株式会社(2026年10月確認)
マダイ全般の種類・旬・料理での扱いについては、当サイトの「お寿司の鯛を徹底解説」でも春子鯛を含めて紹介しています。本記事では、カスゴという呼び名そのものの由来と、江戸前鮨での具体的な扱いに絞って掘り下げます。
「カスゴ」「春子」という名前の由来

カスゴは漢字で「春子」「春小」とも書かれます。この呼び名は、神社の「春日(かすが)神社」が語源とされ、「春」を「カス」と読む読み方に由来するという説が紹介されています。「春子」「春日子」といった当て字も、この読みから生まれたと考えられています。
関東では「カスゴ」のほか、春に生まれ桜のような色合いをすることから「サクラ鯛」という別名で呼ばれることもあります。一方、関西地方では「カスゴ」に加えて「チャリコ」という呼び方も広く使われています。
| 地域 | 呼び名 |
|---|---|
| 関東 | カスゴ、春子、サクラ鯛 |
| 関西 | カスゴ、チャリコ |
参考: 鯛の稚魚の名前(カスゴ/チャリコ)について|seafood-reference.com(2026年10月確認)、小さくても鯛、カスゴ。|横浜丸魚株式会社(2026年10月確認)
江戸前鮨でのカスゴ|白身ではなく「光物」として扱われる

成魚の鯛は寿司の分類では「白身」の代表格として扱われますが、幼魚であるカスゴは分類上「光物」とされます。これは、カスゴが塩や酢で締める仕込みをされることが一般的だからです。身が少ない小さな個体のため、塩焼きや刺身ではなく、酢漬けにして食べることが多いとされています。腕のある鮨職人の中には、昆布を使わずに昆布のような香りと旨味を引き出す締め方を理想とする例もあると紹介されています。
| 項目 | 成魚の鯛 | カスゴ(幼魚) |
|---|---|---|
| 寿司での分類 | 白身 | 光物 |
| 主な仕込み | 柵取りして握る、昆布締めなど | 塩・酢で締める |
| 身の量 | 多い | 少ない |
参考: 鮨の真髄No.015「伝統的な鮨種」第1回:鯛、春子|すしログ(大谷悠也)(2026年10月確認)、鯛の稚魚の名前(カスゴ/チャリコ)について|seafood-reference.com(2026年10月確認)
カスゴの旬

カスゴには厳密に定まった旬はなく、通年で食べられるネタとされています。ただし、名前の由来となった「春」のイメージや、桜を思わせる色合いから、春先から初春にかけて味わうことが好まれる鮨種と紹介されています。
参考: 鮨の真髄No.015「伝統的な鮨種」第1回:鯛、春子|すしログ(大谷悠也)(2026年10月確認)
カスゴの栄養について

カスゴはマダイ・キダイ・チダイ3種の幼魚をまとめた呼び名であり、文部科学省の日本食品標準成分表にはカスゴという個別の項目は見当たりません。成魚のマダイ等のデータを代用すると、幼魚と成魚で脂質・水分などの含有量が異なる可能性があり誤解を招くため、本記事では栄養成分の具体的な数値の記載は見送ります。
まとめ:カスゴ(春子)の寿司を楽しむポイント
- カスゴ(春子)はマダイ・キダイ・チダイの幼魚(体長約10cm前後、100g以下)をまとめて指す呼び名で、単独の魚種ではない
- 江戸前鮨では血鯛(チダイ)の幼魚、関西の鮓では黄鯛(キダイ)の幼魚を使う伝統がある
- 名前は「春日(かすが)」が語源とされ、関西では「チャリコ」という呼び方もある
- 成魚の鯛が「白身」として扱われるのに対し、カスゴは塩・酢で締める「光物」として扱われる
- 厳密な旬はなく通年食べられるが、名前のイメージから春先に味わうのが好まれている
鯛の種類・旬・料理での扱いを全般的に知りたい方は「お寿司の鯛を徹底解説」もあわせてご覧ください。
参考情報
- すしログ(大谷悠也)「鮨の真髄No.015『伝統的な鮨種』第1回:鯛、春子」(https://note.com/sushilog/n/n1f55447f2d8a)— 確認日: 2026-10-30
- 横浜丸魚株式会社「小さくても鯛、カスゴ。」(https://www.yokohama-maruuo.co.jp/food/%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%8F%E3%81%A6%E3%82%82%E9%AF%9B%E3%80%81%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%B4%E3%80%82/20160719.html)— 確認日: 2026-10-30
- seafood-reference.com「鯛の稚魚の名前(カスゴ/チャリコ)について」(https://seafood-reference.com/tai/tai-seitai/entry779.html)— 確認日: 2026-10-30

