最終更新: 2026-10-21
カレイは「ヒラメの格下」という印象を持たれがちですが、実際には日本近海に40種以上が生息し、種類ごとに旬の時期も味の個性もまったく異なる魚です。寿司ネタとして出会う「カレイ」も、マコガレイ・マガレイ・アカガレイのどれなのかによって、旬や卵の扱い、提供方法が変わります。この記事では、カレイの代表的な種類と旬の違い、子持ちガレイが寿司であまり見かけない理由、ヒラメとの見分け方、栄養データまで整理して解説します。
カレイ寿司とは?まず知っておきたい基本

カレイはカレイ目カレイ科に属する海水魚の総称で、国内では40種類以上が確認されています。体の右側に両目があり、砂地の海底に潜んで生活する点はヒラメと共通しますが、種類による個体差が大きく、「カレイ」と一口に言っても味わいや旬は一様ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | カレイ目カレイ科(複数種の総称) |
| 寿司での主な種類 | マコガレイ、マガレイ、アカガレイなど |
| 寿司での提供形態 | 昆布締め、塩締め、炙りが中心(生のままの握りは少なめ) |
| 似ていて混同されやすい魚 | ヒラメ(カレイ目ヒラメ科) |
カレイは1種類じゃない|代表的な種類と旬の違い

「カレイの旬はいつ?」という質問には、どのカレイかを決めないと答えられません。代表的な3種を見ると、旬の時期も卵の有無も大きく異なります。
| 種類 | 主な産地 | 旬 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| マコガレイ | 瀬戸内海、東京湾など全国 | 夏(産卵前の初夏〜盛夏) | 近年は子持ちより身の美味しい夏場が旬とされる。両目の間にウロコがある |
| マガレイ | 北海道、東北沿岸など | 冬(産卵期に卵を持つ) | 子持ちガレイの代表種。両目の間にウロコがなく、目のない側に黄色い帯がある |
| アカガレイ | 福井県(越前ガレイ)、島根県、北海道など日本海側 | 真子が充実する2〜3月、身の脂がのる9〜10月の年2回 | 底引き網で水揚げ時に体表が赤みを帯びることが名の由来。福井県では「越前ガレイ」としてブランド化 |
マコガレイは両目の間にウロコがあり目のない側が一様に白いのに対し、マガレイは両目の間にウロコがなく目のない側に黄色い帯があるという点で見分けられます。同じ「カレイ」という名前でも、夏が旬の種類と冬が旬の種類が混在しているため、寿司店で「今日のカレイ」と出された際は、どの種類かを尋ねてみると、旬の背景が分かって面白くなります。
子持ちガレイはなぜ寿司で見かけないのか

マガレイやアカガレイの真子(卵)を持つ個体は「子持ちガレイ」として冬に親しまれますが、主な調理法は煮付けです。煮付けでは卵と身で火の通り加減が異なるため、卵のプチプチとした食感と身のふっくら感を両立させる調理の工夫が必要とされています。
寿司ネタとしてカレイが使われる場合、この卵の部分は基本的に扱われず、身の部分のみが握りや昆布締めに用いられます。卵を含めた一尾の魅力を活かす調理と、ネタとして薄く引いて提供する寿司とでは、求められる処理が異なるため、「子持ちガレイ=煮付け」「夏のマコガレイ=寿司」という役割分担が自然とできていると考えられます。
カレイが昆布締め・炙りで提供されやすい理由

カレイの身は筋肉由来のコラーゲンを比較的多く含み、独特の柔らかい食感を持ちますが、水分量が多く身が薄いという特徴もあります。寿司店では、昆布締めにして水分を抜き旨味を凝縮させたり、塩で締めてから炙ることで、薄い身でも握りに適した食感と味の強さを持たせる工夫がされています。ヒラメのように厚みのある身を生のまま引いて提供するスタイルよりも、一手間加えた状態で出されることが多いのは、こうした身質の違いによるものです。
ヒラメとの違い|「左ヒラメに右カレイ」だけでは不十分

カレイとヒラメは見た目が似ているため混同されがちですが、寿司ネタとしての格や旬、見分け方には明確な違いがあります。「左ヒラメに右カレイ」という覚え方は広く知られていますが、ヌマガレイのように例外的に目が左にある種類も存在するため、確実な見分け方としては口の大きさで判断する方法が知られています。ヒラメとカレイの詳しい見分け方や寿司ネタとしての扱いの違いは、ヒラメ寿司完全ガイドで詳しく解説しています。
| 比較項目 | ヒラメ | カレイ |
|---|---|---|
| 分類 | カレイ目ヒラメ科 | カレイ目カレイ科 |
| 寿司での扱い | 高級ネタ(白身の王) | 種類によって異なる、比較的手頃 |
| 提供形態 | 生の握りが中心 | 昆布締め・炙りが中心 |
| 旬 | 主に冬 | 種類による(夏〜冬) |
カレイの栄養:低脂質で高タンパクな白身魚
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、まがれい(生)の可食部100gあたりのエネルギーは89kcal、たんぱく質19.6g、脂質1.3gです。白身魚の中でも脂質が少なく、たんぱく質の比率が高いのが特徴です。
| 栄養素(まがれい・生、可食部100gあたり) | 含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 89kcal |
| たんぱく質 | 19.6g |
| 脂質 | 1.3g |
| ビタミンD | 13.0μg |
| カリウム | 330mg |
| コレステロール | 71mg |
脂質が少なくあっさりした味わいのため、淡白な白身魚を好む方や、脂質を控えたい方にも向いているネタといえます。寿司ネタ全体の中での白身魚の位置づけは、寿司の白身魚おすすめランキング12選でも横断的に比較できます。
カレイ寿司の魅力
- マコガレイ・マガレイ・アカガレイなど種類によって旬が異なり、一年を通じて何らかのカレイが旬を迎えている
- 子持ちガレイは煮付け、寿司用の身は昆布締めや炙りと、用途に応じた使い分けがされている
- ヒラメと混同されやすいが、分類・提供形態・旬のいずれにも違いがある
- 脂質が少なく高タンパクな白身魚で、あっさりした味わいを求める方に向いている
カレイ寿司に関するよくある質問
Q1: カレイとヒラメ、寿司ではどちらが高級ですか?
一般的にはヒラメの方が高級ネタとして扱われる傾向があります。ただしカレイも種類や旬によって味の評価が高く、価格と味が必ずしも一致しない点は他の白身魚と同様です。
Q2: 寿司店で「カレイ」と言われたら、どの種類か聞いてもいいですか?
問題ありません。カレイは種類によって旬も味も異なるため、どの種類で今が旬なのかを尋ねると、その日のネタの背景を知る手がかりになります。
関連記事: ハタは寿司ネタになる?クエ・マハタとの関係と高級魚である理由
関連記事: サザエの寿司ガイド|旬・栄養・寄生虫「サザエノハラムシ」を解説
まとめ:カレイ寿司のポイント
- カレイは40種類以上の総称で、マコガレイ(夏)・マガレイ(冬)・アカガレイ(年2回)など種類ごとに旬が異なる
- 子持ちガレイの卵は寿司では使われず、主に煮付けで味わう
- 身は水分が多く薄いため、昆布締めや炙りで提供されることが多い
- ヒラメとは分類・提供形態が異なり、「左ヒラメに右カレイ」の例外もあるため口の形で見分けるのが確実
- 寿司店でカレイに出会ったら、まず種類と旬を尋ねてみると違いを実感しやすくなります
ヒラメとの違いをさらに詳しく知りたい方はヒラメ寿司完全ガイドを、白身魚全体を比較したい方は寿司の白身魚おすすめランキング12選もあわせてご覧ください。
参考情報
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」一般成分表・ビタミン表(まがれい/生)(https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10100_7)— 確認日: 2026-10-21
- ぼうずコンニャクのWEB魚図鑑「マコガレイ」(https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%9E%E3%82%B3%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%82%A4)— 確認日: 2026-10-21(種類の見分け方の参考)
- foodslink「旬の魚介百科:アカガレイ」(https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/karei-aka.htm)— 確認日: 2026-10-21(産地・旬のクロスチェック用)
- 大日本水産会「ヒラメとカレイはどう違う?」魚食普及推進センター(https://osakana.suisankai.or.jp/s-other/6420)— 確認日: 2026-10-21(見分け方の参考)

