最終更新: 2026-10-16
車海老(クルマエビ)は、江戸時代から親しまれてきた江戸前寿司を代表するネタの一つです。同じ「エビ」でも、生のまま提供される甘エビとは産地・味わい・寿司での扱い方が大きく異なります。この記事では、車海老の旬・産地・寿司屋での茹で方の変化・甘エビとの違い・栄養まで解説します。
車海老(クルマエビ)とは?寿司での位置づけ

車海老はクルマエビ科のエビで、体を曲げたときに縞模様が車輪のように見えることが名前の由来とされています。江戸時代、温暖な東京湾で獲れた車海老を茹でて提供したことが江戸前寿司の成立と結びついており、現在も江戸前寿司を象徴するネタの一つとされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | クルマエビ科のエビ |
| 寿司での提供方法 | 主に茹でて提供(近年は蒸す・直前に茹でる店も) |
| 寿司での位置づけ | 江戸前寿司の代表的なネタ(江戸時代から) |
| 名前の由来 | 体を曲げた縞模様が車輪状に見えることから |
参考: 鮨の真髄No.025「伝統的な鮨種」第11回:車海老(クルマエビ)|すしログ(2026年10月確認)、成長するにつれて名前が変わる”出世エビ”のクルマエビ|みなとの野菜大辞典(2026年10月確認)
車海老の旬はいつ?天然と養殖で異なる

車海老は天然と養殖で旬の時期が異なります。
| 区分 | 旬の時期 | 理由 |
|---|---|---|
| 天然 | 6〜8月(夏) | この時期に多く漁獲される |
| 養殖 | 12〜2月(冬) | 天然物が少ない冬場の需要を養殖が補う |
現在流通している車海老の多くは養殖物で、天然物と味の差は小さいとされています。甘みのもとになるアミノ酸「グリシン」はエビ類の中でも車海老に多く含まれており、旨みの強さにつながっています。
参考: クルマエビ(車海老/車蝦)|みなとの野菜大辞典(2026年10月確認)、鮨の真髄No.025|すしログ(2026年10月確認)
車海老の主な産地

車海老の主な産地は、愛知県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、大分県、鹿児島県、沖縄県です。流通している車海老の多くは養殖物で、内湾・内海の砂泥底という生息環境に近い環境で養殖が行われています。
参考: クルマエビ(車海老/車蝦)|みなとの野菜大辞典(2026年10月確認)
車海老と甘エビの違い

車海老と甘エビは、どちらも寿司ネタの「エビ」ですが、提供方法・産地・歴史的な位置づけが異なります。
| 項目 | 車海老 | 甘エビ |
|---|---|---|
| 提供方法 | 主に茹でて提供 | 生のまま提供 |
| 主な産地 | 愛知・香川・愛媛・九州・沖縄など | 北海道・新潟・富山・石川・福井など日本海沿岸 |
| 江戸前寿司での歴史 | 江戸時代から使われる代表的なネタ | 冷蔵・輸送技術が発達する以前は江戸の市場に出回らなかった |
甘エビは北国の深い海に生息するため、冷蔵技術がない江戸時代には江戸の人々の目に触れる機会がほとんどなかったとされています。甘エビの味・栄養についてさらに詳しく知りたい方は「寿司の甘エビと赤エビの違い」も参考にしてください。
参考: 成長するにつれて名前が変わる”出世エビ”のクルマエビ|みなとの野菜大辞典(2026年10月確認)
寿司屋での車海老の茹で方の変化

江戸時代から主流だったのは、握る前にあらかじめ茹でておく「茹で置き」という方法で、発色を良くするため酢にくぐらせることもありました。近年は、握る直前に茹でる「茹で上げ」を選ぶ店が増えており、海老の甘み・香り・食感をより引き出せるとされています。蒸して提供する鮨職人もおり、調理方法は多様化しています。
参考: 鮨の真髄No.025|すしログ(2026年10月確認)
車海老の栄養
車海老(生)100gあたりの主な栄養は次の通りです。
| 栄養素 | 含有量(100gあたり) |
|---|---|
| エネルギー | 97 kcal |
| たんぱく質 | 21.6 g |
| 脂質 | 0.6 g |
| ビタミンB12 | 1.9 µg |
| カリウム | 430 mg |
脂質が少なく高たんぱくな食材です。このデータは文部科学省「日本食品標準成分表(七訂)」に基づく整理です。
出典: クルマエビ(車海老/くるまえび)の栄養価と効用:旬の魚介百科(文部科学省「七訂日本食品標準成分表」掲載データの引用、2026年10月確認)
車海老を食べるときの注意点
- エビ・甲殻類アレルギーがある方は注意してください。
- 茹で置きか茹で上げかで食感・甘みの印象が変わるため、好みに応じて店に確認するとよいでしょう。
- 養殖物が中心のため、年間を通して比較的入手しやすい一方、価格は個体の大きさや産地で差があります。
関連記事: ホタルイカの寿司ガイド|富山湾の春の珍味と生食の寄生虫リスクを解説
まとめ:車海老の寿司を楽しむポイント
- 旬は天然=6〜8月、養殖=12〜2月
- 主な産地は愛知・香川・愛媛・九州各県・沖縄
- 甘エビとは提供方法(茹でるvs生)・産地・歴史的位置づけが異なる
- 寿司屋の茹で方は「茹で置き」から「茹で上げ」へ多様化傾向
- 脂質が少なく高たんぱく
寿司ネタ全般の旬を知りたい方は「寿司ネタの旬カレンダー」、江戸前寿司の成り立ちは「江戸前寿司とは?」も参考にしてください。
参考情報
- 鮨の真髄No.025「伝統的な鮨種」第11回:車海老(クルマエビ)|すしログ(大谷悠也)(2026年10月確認)
- 成長するにつれて名前が変わる”出世エビ”のクルマエビ(車海老/車蝦)|みなとの野菜大辞典(2026年10月確認)
- クルマエビ(車海老/車蝦)|みなとの野菜大辞典(2026年10月確認)
- クルマエビ(車海老/くるまえび)の栄養価と効用:旬の魚介百科(2026年10月確認)

