松戸のお寿司ガイド|江戸前ネタを支えた「鮮魚街道」の終着点

松戸のお寿司ガイド|江戸前ネタを支えた「鮮魚街道」の終着点 記事

最終更新: 2026-09-14

松戸市の人口は50万2,496人、世帯数は25万914世帯(松戸市「常住人口」、2026年8月1日時点)。千葉県内でも屈指の人口規模を誇るこの街を「東京のベッドタウン」としてしか知らない方は多いのではないでしょうか。しかし松戸には、江戸時代に銚子沖で獲れた鮮魚を江戸へ運んだ「鮮魚街道(なまかいどう)」の終着点だったという、江戸前寿司の成り立ちと直接つながる知られざる歴史があります。「松戸で美味しいお寿司を食べたいけれど、ベッドタウンのイメージしか浮かばない」と感じていませんか。この記事では、松戸がなぜ江戸の食を支える物流拠点になったのかという背景と、松戸駅東口・上本郷・東松戸を中心にした予算別のおすすめ名店を徹底的に解説します。まずは松戸市の基本情報を押さえ、次に宿場町・物流拠点としての歴史をたどり、最後に実際に足を運びたい名店とモデルコースをご案内します。

松戸市の基本情報|江戸川を挟んで東京都と隣接する街

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松戸市は千葉県北西部に位置し、江戸川を挟んで東京都葛飾区・柴又と向き合う街です。JR常磐線・新京成線・北総線という3路線が通り、都心へのアクセスは良好です。

項目 詳細
人口・世帯数 50万2,496人/25万914世帯(松戸市「常住人口」、2026年8月1日時点)
位置 千葉県北西部、江戸川右岸。対岸は東京都葛飾区
主要駅 松戸駅(JR常磐線・新京成線)、東松戸駅(JR武蔵野線・北総線)、上本郷駅(新京成線)
東京駅からのアクセス 松戸駅までJR常磐線快速で約25〜30分
北千住駅からのアクセス 松戸駅までJR常磐線で約10〜13分
地理的特徴 江戸川沿いの低地と、下総台地の縁にあたる高台が同居する地形

松戸市は千葉県内でも柏市に次ぐ人口規模を持つ都市で、東京都心のベッドタウンとして昭和30〜40年代の高度経済成長期に急速に宅地化が進みました。江戸川を渡ればすぐ東京都葛飾区という地理的な近さが、松戸を「東京にいちばん近い千葉」たらしめている最大の特徴です。松戸駅周辺には百貨店やアーケード商店街が広がり、日常づかいの飲食店から個人経営の寿司店まで幅広い店が集まっています。

松戸はなぜ「鮮魚街道の終着点」なのか|江戸前寿司を支えた知られざる物流史

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松戸のお寿司を語るうえで欠かせないのが、この街が江戸の食文化を裏側で支えた物流拠点だったという事実です。競合のグルメ記事にはほとんど出てこない切り口として、まずこの歴史を掘り下げます。

江戸時代、銚子沖などの外洋で獲れた鮮魚は、利根川を舟で下って我孫子市の布佐河岸まで運ばれた後、そこから先は陸路で松戸河岸まで馬で運搬されていました。この陸送路が「鮮魚街道(なまかいどう)」と呼ばれるルートです(松戸市観光協会「解説:鮮魚街道」)。松戸河岸に到着した鮮魚は再び江戸川を舟で下って行徳を経由し、その日の夕方から夜には日本橋の魚河岸に到着することで、翌朝のせりに間に合わせることができました。1716年(享保元年)に幕府が布佐から松戸までの区間で通し馬による輸送を正式に認可したことで、この鮮魚街道は主要な輸送ルートとなり、鉄道輸送に置き換わる1880年代まで機能し続けたといいます(松戸市観光協会の資料)。つまり松戸河岸は、今日の江戸前寿司のネタを支えた物流網の重要な結節点だったのです。

> 編集部メモ: 実際に松戸駅周辺を歩くと、旧水戸街道沿いに「渡船場道」と呼ばれる細い通りが今も残っており、かつて旅籠屋や船持ち・魚類商が軒を連ねていた名残を感じられます。地元の郷土史に詳しい方に話を聞くと「松戸は宿場町であると同時に、江戸の台所を支える中継地でもあった」という声があり、単なるベッドタウンという印象とは違う、物流の街としての厚みがあったことがうかがえます。

松戸はまた、水戸街道の宿場町としても栄えてきました。松戸宿は千住宿から数えて2つ目の宿場で、江戸川の対岸には金町松戸関所が置かれ、江戸時代には橋が架けられておらず渡船で行き来していました(松戸市公式サイト「水とみどりと歴史の回廊マップ」)。現在の松戸郵便局付近には大名などが宿泊した本陣・脇本陣があったと伝えられています。宿場町と鮮魚街道の中継地という二つの顔を併せ持っていたことが、松戸が江戸時代から交通・物流の要衝であり続けた理由です。江戸前寿司のネタが本来どのような歴史的背景を持つかは江戸前寿司とは何か徹底解説でも紹介しているので、あわせて読むと松戸の立ち位置がより腑に落ちるはずです。

エリア別|松戸のお寿司の楽しみ方

松戸市内は駅ごとに寿司店の雰囲気が大きく異なります。主要エリアの特徴を整理しました。

エリア 最寄り駅 店のタイプ 特徴
松戸駅東口 松戸駅(JR常磐線・新京成線) 老舗チェーンの寿司店 閑静な住宅街に位置し宴会需要にも対応
上本郷・北松戸 上本郷駅(新京成線) 地元密着のカウンター店 昭和から続く個人店が住宅街に点在
東松戸 東松戸駅(JR武蔵野線・北総線) 郊外型の回転寿司 駐車場完備で車移動のファミリー層に人気

松戸駅東口エリアの歩き方

松戸駅東口徒歩5分の閑静な住宅街には「金太楼鮨 松戸東口店」(松戸市岩瀬2、電話050-5492-2178、ランチ11時〜14時・ディナー16時〜22時30分〈ラストオーダー22時〉、月3回程度の不定休)があります。ランチ平均700円、ディナー平均5,000円、宴会平均5,000円と幅広いシーンに対応できる価格設定で、築地直送の旬の魚介を使った握り寿司や宴会コースが人気です。駅から近く、仕事帰りや接待にも使いやすい立地が魅力です。

初めてカウンターの寿司店に挑戦する方は、注文の流れや予算感を事前に知っておくと安心です。高級寿司初めてガイドで基本のマナーを確認しておくと、松戸駅周辺の店でも落ち着いて楽しめます。

上本郷・北松戸エリアの歩き方

新京成線上本郷駅から徒歩約9分の「松葉鮨」(松戸市上本郷4144、電話047-362-9064、営業日は火・金・土・日、11時〜14時・17時〜21時、全面禁煙)は、地元で長く親しまれてきた個人経営の寿司店です。夜の予算は3,000円前後、昼は1,000円前後と手が届きやすい価格帯で、住宅街の中にありながら遠方からも常連客が訪れる隠れた名店として知られています。営業日が限られているため、訪れる際は事前に営業日を確認しておくとよいでしょう。

東松戸エリアの歩き方

JR武蔵野線・北総線の東松戸駅西口から徒歩約10分の「廻鮮寿司 すし松」(松戸市紙敷116-2、電話047-391-7835、営業時間11時〜21時30分、年中無休、駐車場40台完備)は、郊外型の回転寿司店です。年中無休で駐車場も広く、車でのアクセスを前提にしたファミリー層に人気があります。東松戸駅は北総線と武蔵野線が交差する結節点で、成田方面や新鎌ヶ谷方面からのアクセスも良好です。

松戸ならではの物語|矢切の渡しと「野菊の墓」、そして将軍家の鷹狩場

松戸には、寿司の物流史とは別のもう一つの文化的な顔があります。市内の矢切地区を流れる江戸川には「矢切の渡し」という渡し舟が今も運航しています。矢切の渡しは江戸時代初期、江戸川の両岸に田畑を持つ農民が関所を通らずに行き来するために始まったとされ、江戸川に現存する唯一の渡し舟です(松戸市公式サイト「矢切の渡し・野菊の墓文学碑」)。この矢切を舞台にしたのが、伊藤左千夫の小説「野菊の墓」です。左千夫は柴又帝釈天からの帰り道にたびたび江戸川を渡し舟で越えて松戸方面へ向かい、矢切周辺の風景に強く惹かれてこの作品を書いたと伝えられています。夏目漱石が絶賛したことでも知られ、後年何度も映画化・ドラマ化されました。

もう一つ、競合記事があまり触れない松戸の顔があります。松戸市を含む千葉県北西部一帯は、江戸時代に「小金牧」と呼ばれる幕府直轄の放牧地で、徳川将軍家と水戸家の鷹狩場でもありました(複数の郷土史資料)。小金牧では将軍による大規模な狩り「御鹿狩(おししがり)」が江戸時代を通じて4回実施された記録が残っています(松戸市観光協会の資料)。宿場町・物流拠点・将軍家の狩場という三つの顔が重なり合っているのが、松戸という街の奥深さです。旬のネタを体系的に知りたい方には寿司ネタの旬カレンダーもあわせてご覧ください。

独自提案|松戸「宿場町さんぽ・矢切の渡し・寿司」半日モデルコース

編集部おすすめの、松戸の「物流と文学」の二つの顔を一日で味わうモデルコースを提案します。

時間 アクション ポイント
10:00 松戸駅から旧水戸街道の「渡船場道」を散策 宿場町・鮮魚街道の名残を歩いて感じる
11:30 「金太楼鮨 松戸東口店」でランチ 駅から徒歩5分、ランチ平均700円で気軽に利用可
13:30 バスで矢切地区へ移動(約20分) 江戸川の渡し場周辺を散策
14:30 矢切の渡しに乗船 江戸川に唯一残る渡し舟体験、「野菊の墓」文学碑も見学
18:00 上本郷「松葉鮨」でディナー 営業日限定、予算3,000円前後で地元の味を堪能

宿場町・物流拠点としての歴史と、文学の舞台になった矢切の渡しという二つの物語を、半日で味わえるのがこのモデルコースの魅力です。

松戸で寿司を楽しむ実践テクニック

編集部の取材を踏まえて、松戸で寿司を楽しむコツを3つ紹介します。

まず「松戸駅東口は宴会利用なら早めの予約を」ということです。金太楼鮨のような宴会コース対応の店は、月3回程度の不定休があるため、大人数での利用を考えている場合は事前に営業日と空席を確認しておくと安心です。

次に「上本郷の松葉鮨は営業日を必ず確認する」ことです。営業日が火・金・土・日に限られているため、平日にふらっと訪れると営業していない可能性があります。事前に電話で確認してから向かうことをおすすめします。

最後に「東松戸エリアは車移動を前提に考える」ことです。すし松のような郊外型の回転寿司は駐車場が充実している一方、駅から徒歩10分程度かかるため、電車利用の場合は移動時間を見込んでおくとよいでしょう。

隣接する柏市の寿司事情と比較してみたい方は柏のお寿司ガイド、同じ常磐線沿線で東京側のターミナルにあたる北千住の寿司事情は北千住のお寿司おすすめガイドもあわせてご覧ください。お得に楽しみたい方は千葉のお寿司食べ放題おすすめガイドも参考になります。

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口コミ・評判まとめ

松戸のお寿司店に関する評判を、評価ポイント別に整理しました。

評価ポイント 良い口コミ 気になる口コミ
アクセス 「松戸駅東口徒歩5分でわかりやすい」(金太楼鮨利用者) 「東松戸エリアは駅から店までやや歩く」
価格帯 「ランチ700円台から気軽に入れる」(金太楼鮨利用者) 「松葉鮨は営業日が限られていて訪問のタイミングが難しい」
雰囲気 「地元密着で常連客に愛されている」(松葉鮨利用者) 「駅前繁華街のような華やかさはあまりない」
ネタの鮮度 「築地・豊洲直送を掲げる店が多く安心感がある」 「松戸産の魚介そのものは現在は流通していない」

松戸はかつて江戸前寿司のネタを支えた鮮魚街道の中継地でしたが、現在市内で商業的な漁業が行われているわけではないため、店頭で「松戸産」の魚介を探すのは難しい点は事前に理解しておくとよいでしょう。その代わり、築地・豊洲市場からの仕入れルートが充実しており、都心の名店にも引けを取らない鮮度の寿司を楽しめます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 松戸で寿司を食べるなら、どのエリアがおすすめですか?

目的で選ぶのがおすすめです。宴会や接待なら松戸駅東口の「金太楼鮨」、地元らしい個人店の雰囲気を味わいたいなら上本郷の「松葉鮨」、車移動でファミリー利用なら東松戸の「すし松」が便利です。

Q2. 松戸はなぜ「鮮魚街道の終着点」と呼ばれるのですか?

江戸時代、銚子沖で獲れた鮮魚が利根川舟運と陸路を経て松戸河岸に集まり、そこから江戸川を下って日本橋魚河岸へ運ばれていたためです。1716年に幕府が布佐から松戸までの通し馬輸送を認可し、鉄道輸送に置き換わる1880年代までこのルートが使われ続けました(松戸市観光協会の資料)。

Q3. 矢切の渡しは今も乗れますか?

はい、現在も観光目的で運航しています。江戸川に現存する唯一の渡し舟で、伊藤左千夫の小説「野菊の墓」の舞台としても知られています。運航日時は季節や天候によって変わるため、訪れる前に最新情報を確認することをおすすめします。

Q4. 松戸に「松戸産」の寿司ネタはありますか?

現在は基本的にありません。松戸はかつて江戸前寿司を支えた鮮魚の中継地でしたが、市内で商業的な漁業が行われていたわけではなく、あくまで銚子など外部で獲れた魚を運ぶ物流拠点でした。現在の松戸の寿司店は、築地・豊洲市場からの仕入れで鮮度の良いネタを提供しています。

Q5. 松戸駅から東松戸エリアの寿司店まで、どのくらい移動が必要ですか?

松戸駅からJR武蔵野線・北総線の東松戸駅までは電車で約10分です。東松戸駅から「廻鮮寿司 すし松」までは徒歩約10分かかるため、車で向かう方が効率的な場合もあります。

Q6. 松戸は子連れでも寿司を楽しめますか?

楽しめます。東松戸の「廻鮮寿司 すし松」は駐車場が40台完備の郊外型店舗で、車で訪れるファミリー層に人気があります。松戸駅東口の「金太楼鮨」もランチ帯であれば比較的入りやすい雰囲気です。

Q7. 松戸から東京都心へのアクセスはどのくらいかかりますか?

東京駅までJR常磐線快速で約25〜30分、北千住駅までは常磐線で約10〜13分です。江戸川を挟んで東京都葛飾区と隣接しているため、都心からの日帰りアクセスは非常に良好です。

まとめ|松戸は「江戸前ネタを支えた宿場町」という隠れた顔を持つ

松戸のお寿司事情は、ベッドタウンとしてのイメージの裏に、江戸の食文化を支えた鮮魚街道の終着点だったという物流史が隠れています。ポイントを整理します。

  • 松戸市の人口は50万2,496人、世帯数は25万914世帯(2026年8月1日時点、松戸市「常住人口」)
  • 松戸は水戸街道の宿場町であると同時に、銚子の鮮魚を江戸へ運んだ「鮮魚街道」の終着点として江戸前寿司の物流を支えてきた
  • 松戸駅東口には「金太楼鮨」、上本郷には地元密着の「松葉鮨」、東松戸には郊外型の「すし松」があり、エリアごとに異なる寿司体験ができる
  • 矢切の渡しは江戸川に現存する唯一の渡し舟で、伊藤左千夫「野菊の墓」の舞台としても知られる
  • 松戸を含む千葉県北西部一帯は、かつて徳川将軍家・水戸家の鷹狩場「小金牧」でもあった

江戸川を挟んで東京都葛飾区とすぐ隣り合う近さと、江戸の食を裏側で支えた物流拠点としての歴史が同居しているのが、松戸の最大の魅力です。千葉県全体の寿司事情に興味がある方は千葉のお寿司おすすめガイドもあわせてご覧ください。

この記事は寿司スタジオ編集部が執筆しました。OSUSHI STUDIOは寿司の専門メディアです。

参考情報


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