最終更新: 2026-07-09
静岡市の清水港は、冷凍マグロの水揚げ量で日本一とされる港です(静岡市公表、2025年時点)。国内に流通する冷凍マグロの約半分がこの港を経由するといわれ、静岡は「マグロの玄関口」ともいえる存在です。しかし静岡の寿司の魅力はマグロだけではありません。桜えび、生しらす、駿河湾の深海魚と、ここでしか味わえないネタが揃います。「静岡で寿司を食べたいけれど、どのエリアで何を食べればいいの?」という方のために、この記事ではエリア別の特徴、名物ネタの旬、予算別の楽しみ方まで徹底的にご案内します。
静岡が「寿司どころ」である3つの理由

静岡県の寿司を支えているのは、日本一深い湾である駿河湾です。最深部が約2,500mに達する駿河湾には、沿岸の魚から深海の魚まで多様な魚種が生息しています。静岡の寿司が特別といえる理由を3つに整理します。
1つ目は清水港のマグロです。清水港は冷凍マグロの水揚げ量日本一とされ(静岡市公表、2025年時点)、港周辺にはマグロを看板にした寿司店・食堂が集まっています。世界中の海で獲れたマグロが集まる港だからこそ、部位や産地の異なるマグロを食べ比べできるのが強みです。
2つ目は由比の桜えびです。桜えびの国内水揚げは駿河湾がほぼ唯一で、由比港はその中心地です。2026年の春漁は3月29日から6月5日まで行われ、秋漁は例年10月下旬から12月下旬に実施されます(由比港漁協、2026年時点)。生の桜えびを軍艦で味わえるのは、産地・静岡ならではの体験です。
3つ目はしらすです。静岡県内では用宗港などがしらすの水揚げで知られ、2026年のしらす漁は3月31日から2027年1月14日までと長期間楽しめます(静岡県公表の漁期、2026年時点)。獲れたての生しらすが寿司ネタとして並ぶのは、鮮度が命の産地だからこそです。
エリア別|静岡のお寿司の楽しみ方

静岡県は東西に長く、エリアごとに水揚げされる魚も寿司文化も異なります。主要エリアの特徴を一覧で整理します。
| エリア | 名物ネタ | 特徴 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|---|
| 静岡市・清水 | マグロ全般、桜えび | 清水港直送のマグロ食べ比べ | マグロ好き、観光と両立したい方 |
| 由比・蒲原 | 桜えび、しらす | 産地直送の桜えび料理店が集中 | 旬の桜えびを狙う方 |
| 焼津 | カツオ、マグロ | 遠洋漁業の基地、カツオが名物 | カツオ・赤身好きの方 |
| 沼津 | アジ、深海魚 | 沼津港周辺に寿司店・食堂が密集 | 珍しいネタに挑戦したい方 |
| 浜松 | 遠州灘・浜名湖の魚 | うなぎだけでなく地魚寿司も充実 | 県西部を訪れる方 |
沼津エリアは駿河湾の深海魚寿司という全国でも珍しい体験ができる街です。詳しくは沼津の寿司完全ガイドで解説しています。県西部の浜松については浜松のお寿司おすすめガイドをご覧ください。
静岡市・清水エリアの歩き方
清水港周辺には「河岸の市」と呼ばれる市場施設があり、マグロを中心とした寿司店・海鮮食堂が集まっています。市場ならではの活気の中で、水揚げされたばかりの魚を握りで味わえるのが魅力です。市場そのものの仕組みや楽しみ方は水産ナビの水産市場ガイドも参考になります。
静岡駅周辺にも寿司店は多く、駅ビル内の手軽な店から老舗カウンターまで揃います。新幹線での移動前後に立ち寄りやすいのも静岡市の利点です。
由比・蒲原エリアの歩き方
JR由比駅周辺には桜えび料理の専門店が集中しています。桜えびのかき揚げが有名ですが、寿司好きなら生桜えびの軍艦や沖漬けを目当てに訪れる価値があります。漁期中の週末は行列必至なので、開店前の到着がおすすめです。
由比は旧東海道の宿場町でもあり、桜えびを味わった後は薩埵峠のハイキングコースから富士山と駿河湾を一望できます。食と景色をセットで楽しめるのが、このエリアの隠れた魅力です。
焼津エリアの歩き方
焼津港は遠洋漁業の基地として知られ、カツオやマグロの水揚げで全国有数の規模を誇ります。港の近くには焼津さかなセンターがあり、鮮魚店と食事処が集まる観光市場として人気です。カツオの握りはもちろん、春の初ガツオと秋の戻りガツオで味の違いを食べ比べるのが焼津流の楽しみ方です。
焼津は静岡駅からJRで約13分とアクセスも良好です。市場でランチを取り、鮮魚や加工品をお土産に買って帰る半日コースが組みやすいエリアです。
静岡ならではの寿司ネタ図鑑
静岡を訪れたら必ず味わいたい名物ネタを、旬と味の特徴で整理します。
| ネタ | 旬 | 味の特徴 | 食べられる主なエリア |
|---|---|---|---|
| 本マグロ(冷凍含む) | 通年 | 部位ごとの食べ比べが楽しい | 清水、静岡市 |
| 生桜えび | 4〜6月、10〜12月 | 甘みと磯の香り、軍艦が定番 | 由比、静岡市 |
| 生しらす | 4月〜翌1月(禁漁期除く) | とろける食感とほのかな苦み | 用宗、静岡市、沼津 |
| カツオ | 4〜6月、9〜11月 | 焼津の戻りガツオは脂が濃厚 | 焼津、静岡市 |
| アジ | 5〜8月 | 沼津の干物文化を支える鮮度 | 沼津、静岡市 |
| 太刀魚・深海魚 | 秋〜冬中心 | 炙りで甘みが際立つ | 沼津 |
マグロは部位によって味も価格も大きく変わります。赤身・中トロ・大トロの違いを知ってから食べ比べると、清水のマグロはさらに楽しめます。詳しくは中トロと大トロの違い徹底比較とお寿司のマグロ完全ガイドをご覧ください。
月ごとの旬ネタを体系的に知りたい方には寿司ネタの旬カレンダーがおすすめです。
予算別|静岡のお寿司の相場
静岡の寿司は「観光地価格」と「地元価格」が混在しています。予算帯ごとの目安を整理します。
| 予算帯 | ランチ相場 | ディナー相場 | 店舗タイプ |
|---|---|---|---|
| お手頃(〜2,000円) | 1,000〜1,800円 | 1,500〜2,500円 | 回転寿司、市場の食堂 |
| 中価格帯(2,000〜5,000円) | 1,800〜3,500円 | 3,500〜6,000円 | 市場内寿司店、カウンター店 |
| 高級(5,000円〜) | 4,000〜8,000円 | 8,000〜15,000円 | おまかせ中心の専門店 |
静岡の特徴は、中価格帯の満足度が非常に高いことです。市場系の店では2,000〜3,000円でマグロ・桜えび・しらすの「駿河湾三昧」が揃うセットが定番で、東京で同じ内容を食べる場合と比べて割安感があります。
回転寿司でも地魚を扱う店が多いのが静岡らしさです。全国チェーンとの違いを楽しむなら、地元発の回転寿司で「地魚」「駿河湾」と書かれた札を優先的に選んでみてください。
静岡お寿司モデルプラン|清水で丸一日楽しむ
編集部が清水を訪れた際の経験をもとに、マグロと桜えびを1日で満喫するプランを紹介します。
午前中は清水の河岸の市へ向かい、開店直後の時間帯にマグロの握りセットでブランチを取ります。市場の店は昼前に混み始めるため、10時台の入店が快適でした。マグロの部位食べ比べセットがあれば迷わず注文しましょう。
午後は由比へ移動します。清水駅から由比駅はJRで約10分と近く、桜えびの直売所や資料展示を巡れます。漁期中なら夕方前に生桜えびを追加で味わい、干し桜えびをお土産に購入するのが定番コースです。
夜は静岡駅周辺に戻り、カウンター店で駿河湾の地魚を中心としたおまかせを楽しめば、静岡の寿司を一日で網羅できます。
なお、寿司店の店舗数や評価の統計データは寿司業界データまとめページで紹介しています。
静岡旅行で寿司を楽しむ実践テクニック
編集部の取材経験から、静岡の寿司を最大限楽しむための実践的なコツを紹介します。
まず市場系の店は「午前中が勝負」です。河岸の市や沼津港の食堂は、昼前後に観光客で混み合います。10時台の入店なら待ち時間がほぼなく、ネタの品切れも起きていません。人気店の行列は休日で1時間を超えることもあるため、朝型の行動が満足度を大きく左右します。
次に「漁の有無を確認する」ことです。桜えびもしらすも、天候や海況によって休漁日があります。生にこだわるなら、訪問前に漁協や店のSNSで当日の水揚げ状況を確認しましょう。休漁日でも冷凍や釜揚げは味わえますが、事前に知っておけば期待値の調整ができます。
最後に「移動手段の設計」です。静岡市・清水・由比はJR東海道線で一直線に結ばれており、車がなくても巡れます。一方で焼津や御前崎方面は駅から漁港まで距離があるため、バスやタクシーの時間を事前に調べておくと安心です。
静岡の寿司を自宅でも楽しむ方法
現地に行けない方や、旅の味を再現したい方には、お取り寄せという選択肢があります。
由比の桜えびは釜揚げ・素干しの通販が充実しており、自宅で桜えびの軍艦や手巻きを再現できます。しらすも同様に、産地直送の釜揚げしらすを取り寄せれば、しらす丼や軍艦で静岡気分を味わえます。
冷凍技術の進化により、握り寿司そのもののお取り寄せも品質が向上しています。選び方のポイントは寿司お取り寄せおすすめ7選で徹底比較しています。
また、自宅で静岡風の寿司を作るなら、酢飯に釜揚げしらすと桜えびを散らした「駿河湾ちらし」が手軽です。酢飯の基本は酢飯の作り方完全ガイドを参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 静岡で寿司を食べるならどのエリアが一番おすすめですか?
初めてなら静岡市・清水エリアがおすすめです。清水港のマグロと由比の桜えびを1日で両方楽しめ、静岡駅からのアクセスも良好です。珍しいネタを求めるなら深海魚寿司の沼津が候補になります。
Q2. 桜えびはいつ行けば生で食べられますか?
春漁(2026年は3月29日〜6月5日)と秋漁(例年10月下旬〜12月下旬)の期間中が狙い目です。漁期外は冷凍・釜揚げが中心になるため、生にこだわるなら漁期中の訪問をおすすめします。
Q3. 清水港のマグロはなぜ有名なのですか?
清水港が冷凍マグロの水揚げ量で日本一とされているためです(静岡市公表、2025年時点)。遠洋漁業で獲れた世界中のマグロが集まるため、種類・部位の豊富さと価格のバランスに優れています。
Q4. 静岡の寿司の予算はどれくらい見ておけばいいですか?
市場の食堂や回転寿司なら1人1,500〜2,500円、市場内の寿司店やカウンター店なら2,000〜5,000円が目安です。名物ネタを組み合わせたセットが充実しているため、中価格帯でも満足度は高めです。
Q5. 新幹線の乗り換え時間でも寿司を楽しめますか?
静岡駅周辺なら可能です。駅ビル内や駅近くに寿司店があり、1時間程度の滞在でも地魚の握りセットを味わえます。時間に余裕があれば清水(静岡駅からJRで約11分)まで足を延ばす価値があります。
Q6. 生しらすはいつでも食べられますか?
しらす漁の期間中(2026年は3月31日〜2027年1月14日)でも、天候や海況による休漁日には生しらすが提供されないことがあります。確実に食べたい場合は、訪問当日の水揚げ状況を店に確認するのがおすすめです。
Q7. 子連れでも静岡の市場系寿司店は利用できますか?
利用できます。河岸の市や焼津さかなセンターはテーブル席中心の食堂形式の店が多く、家族連れの利用が一般的です。混雑する昼時を避けて午前中に入店すると、子連れでも落ち着いて食事ができます。
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まとめ|静岡は「駿河湾を丸ごと握る」寿司どころ
静岡のお寿司は、清水港のマグロ、由比の桜えび、用宗のしらすと、駿河湾の恵みをそのまま握りで味わえるのが最大の魅力です。ポイントを整理します。
- 清水港は冷凍マグロ水揚げ日本一とされる「マグロの玄関口」
- 生桜えびは春漁・秋漁の期間限定、訪問時期の確認が必須
- 市場系の店なら2,000〜3,000円で名物ネタが一通り揃う
- 沼津の深海魚、焼津のカツオなどエリアごとの個性も豊か
静岡は新幹線で東京から約1時間、名古屋から約1時間と、思い立ったら日帰りでも行ける距離です。旅程に合わせてエリアを選び、旬の駿河湾ネタを堪能してください。マグロの部位や旬の知識を事前に仕入れておくと、現地での一貫がさらに味わい深くなります。あわせて夏の寿司ネタおすすめ15選を読めば、7〜8月の静岡旅行がさらに充実します。
参考情報
- [静岡市公式サイト「清水港マグロまつり」](https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2431/s009214.html)(2026年7月確認)
- [静岡県観光公式ガイド Hello Navi「桜えび・しらすの名店特集」](https://hellonavi.jp/feature/sakuraebi-shirasu-selection)(2026年7月確認)
- [静岡市公式サイト「しらすと桜えび」](https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2473/s005021.html)(2026年7月確認)
- [PR TIMES「清水港マグロまつり2025」静岡市プレスリリース](https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000145322.html)(2026年7月確認)

